産前・産後で変わる!? 体毛のメカニズム

髪の毛や足、腕、ワキなどの発毛にはホルモンが関係しています。女性がその影響を大きく受けるのが「妊娠」です。新しい命を宿したお母さんの身体の中では、実にさまざまな変化が起きています。

妊娠中は、エストロゲンなどの女性ホルモンが増えることで、色素細胞であるメラノサイトが刺激され、身体全体にメラニン色素の沈着が起こると考えられています。特に、お腹まわりの毛が濃く見えることが多く、中には渦を巻くほどの濃さにショックを受ける妊婦さんもいるとか……。でもそれは毛が実際に増えるわけではなく、メラニンによって毛そのものが濃くなっているからなのです。

出産後にホルモンの状態が元に戻れば、体毛の状態も戻っていきます。

どうしても気になる？ 妊娠中のむだ毛

妊娠中は検診でお腹を見せることを気にして、あまりにも毛が濃いとつい処理をしてしまいたくなる妊婦さんもいらっしゃるのではないでしょうか。でも、つわりやおなかのハリなどさまざまな変化が起こるこの期間は肌も敏感なので、自己処理はもちろんサロンでの脱毛も避けたほうがよいでしょう。

妊娠中にお腹の毛が濃くなるのは、多くの先輩ママも経験した、ごくごく自然な人間として当たり前のことなのです。気にすることではありません。ただ、腕や足、ワキなど、どうしても気になるときは、肌を傷つけない工夫をした上で、剃毛してください。多くても月に1回程度に留めてくださいね。

気になるパーツにシェービング用のクリームをのせ、肌の上を滑らせるようにやさしくカミソリをあてていきましょう。処理後は、妊娠中でも使えるような低刺激のローションやボディクリームでしっかり肌を整えてくださいね。妊娠してからの体の変化に戸惑って、むだ毛をストレスと感じてしまうより、むしろ、「妊娠中に毛が濃くなるのは、お腹の赤ちゃんを守るためだから。」とあまり深刻にならず、おだやかな気持ちで過ごすことを心がけてください。出産後に落ち着いてからケアに臨んだ方が、いろんな意味で母体への負担もかかりません。

この時期しか味わえない変化をむしろ楽しんで

妊娠中で一番大切なのは、お母さんとおなかの赤ちゃんの健康です。脱毛サロンに通っている途中に妊娠がわかったときは、一度お休みをして、出産後、生理が再開したときを目処にお手入れを始めるようにしてください。妊娠中の自己処理やサロンでのお手入れ再開のタイミングなど、気兼ねなくサロンスタッフに相談してみてくださいね。

妊娠中の体の変化はその時期でしか味わえないこと。素敵な思い出になるように、まず母体の健康を一番に考え、赤ちゃん誕生までの時間をじっくりと楽しみましょう。