COLUMN
美容コラム- ダイエット
「腸内フローラ」でカラダの中からダイエット体質に!
いま、健康やダイエット面で「腸内フローラ」が注目されています。メディアなどで頻繁に見聞きするこの「腸内フローラ」って、一体何なのでしょう?
「フローラ(flora)」= お花畑
「フローラ(flora)」とは、日本語で「お花畑」のこと。
私たちの腸内には、みなさんも聞いたことのあるおなじみの「善玉菌」や「悪玉菌」をはじめ、腸内の壁の隅々までさまざまな菌がビッシリと生息しています。それらの細菌のバランスを「腸内フローラ」といい、腸内細菌類の生息している様子がお花畑のように見えたことから付けられた名前です。
「善玉菌」は、糖類を分解してエネルギーにする働きを持つ体にとって良い菌です。代表的な「善玉菌」は、乳酸菌やビフィズス菌などが挙げられます。一方「悪玉菌」は、有毒物質を発生させて、「善玉菌」の活動を妨いでしまいます。
一般的には、この「悪玉菌」が増えると不健康で太りやすくなり、善玉菌を増やせば健康な体の状態とスリムな体型を維持しやすいと言われています。
このような腸内の細菌類のバランス(腸内フローラ)にダイエット効果を左右する大きな秘密が隠されているのです。
バランスの崩れた腸内フローラが肥満の原因
2013年、ワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士らのチームが米国の科学誌「Science」に「腸内フローラが肥満に影響する」と発表しました(注1)。
注1:http://science.sciencemag.org/content/341/6150/1241214.abstract
その内容は、「飽和脂肪酸(肉類や乳製品に含まれる)が少なく、食物繊維を多く含んだ「食事」を多く与えられたマウスは、腸内の細菌バランスが改善され、肥満を防ぐことができた」というものです。この発表により「腸内フローラ」は注目を浴びるようになりました。
私たちの体も、この研究結果と同じように「腸内フローラ」のバランスが重要で、常に「善玉菌」が優勢な状態であることが理想的です。しかし、肉などの高脂肪食やファストフード、レトルト食品など、飽和脂肪酸が多い偏った食習慣によって私たちの腸内フローラはバランスを保つことが難しくなっているのです。
毎日の食生活を振り返ると、ちょっと「ドキッ」としませんか?
短鎖脂肪酸を増やして腸内環境を改善しよう!
「脂肪酸」とは油脂を構成する成分のひとつで、数個から数十個の炭素は鎖のように繋がっています。その炭素の鎖が6個以下のものを「短鎖脂肪酸」といい、脂肪を吸収しにくい体質にしてくれる、といわれています。
この「短鎖脂肪酸」は、私たちの体のなかの腸内で食物繊維を発酵させて作ることができるのです。短鎖脂肪酸を含む食材(酢やバターなど)だけでなく、「水溶性食物繊維」を多く含む食品を積極的に摂取すれば、「短鎖脂肪酸」を増やすことができます。さらに「善玉菌」の働きそのものも活発になって身体に有益な物質がたくさん作り出され、腸内環境が改善されていきます。
このように「水溶性食物繊維」をしっかり摂って腸内環境を良くしていくことが、ダイエットにつながっていくのです。
腸内をバランス良い“お花畑”にするには和食が最適!
それでは、腸内をバランスの良い“お花畑”にするために、水溶性食物繊維が多く含まれる食品をご紹介しましょう。
具体的には、以下のとおりです。
- 海藻類=寒天、ひじき、わかめ、もずく、昆布
- 野菜類=ごぼう、オクラ、モロヘイヤ
- 豆 類=納豆やきなこ
- 果物類=キウイ、バナナ、リンゴ、イチゴ
こうしてみると、和食の食材がほとんどですね。
わかめと豆腐を入れたお味噌汁と納豆の和食の定番は、水溶性食物繊維にとって理想的な組み合わせです。
ここに、ひじきの煮つけ、オクラ入りの和風海草サラダ、きんぴらごぼうなどの副菜を添えていけば、文句なし! デザートにはフルーツがたっぷり入ったヨーグルト……まで組み合わせられたら、最高の献立ですね。
ダイエットはもちろんのこと、健康な体を維持するためにも、日頃から腸内フローラの細菌バランスを考えながら、食事のメニューに気を配ることがとても大切なのです。
いつも腸内のお花畑に気を配り、「善玉菌」のお花をいっぱい咲かせて環境を整えながら、健康な体づくりと効果的なダイエットに取り組んでみてはいかがですか。
監修:表参道美容皮膚科 三宅真紀先生